【三次市高杉町】地域の伝統行事を再現し継承する「神杉大田植」
2023年6月11日、三次市高杉町の三次市神杉小学校東側圃場にて、第18回 神杉大田植が開催されました。神杉地区自治会連合会と、神杉大田植実行委員会主催。
神杉大田植は、2006年に、約60年前に地域で行われていた様子を再現。かつての田植えの様子や苦労を、当時のことを知らない世代に伝える機会として続いています。コロナ禍の影響で、第15回(2020年)、第16回(21年)と中止、昨年の第17回は縮小開催だったため、2023年は4年ぶりの従来通りの開催となり、大勢の観光客や写真愛好家が訪れました。
開催を前に、早乙女さんやサゲ衆、太鼓や鐘を持った神杉小学校6年生が集まって集合写真。いよいよ本番が始まります。
大田植えの花形、「飾り牛」が圃場に入って「代掻き」をスタート。
飾り牛は、安芸高田市美土里町、杉原牧場からやってきた3頭。
おとなしく穏やかな牛たちは、大田植にふさわしく、美しく華やかに飾られ、ゆっくりと代掻きをしていきます。来場者から「賢いね」「よくしつけられている」と、感心する声が上がります。
会場に、サンバイ(田の神様)さん、苗籠(なえかご)、植え綱(うえづな)、鍬代(くわじろ)、苗提げ、苗配り、サゲ衆、児童、早乙女がスタンバイ。
開会式が始まりました。
初めに神杉地区自治会連合会の有田雅俊会長が「古くから行われてきた田植え。その文化継承のため立ち上げて今年で18回となります。多くの人の協力で開催できたことに感謝しています」とあいさつ。
続いて、福岡誠志三次市長が「今後も連携を密にし、住んでよかった、笑顔あふれる神杉地区を目指しましょう。今日は聞いたところによると名古屋から足を運んでくださった方もおられるとのこと。皆さんで盛り上げていきましょう」とあいさつ。
林俊之実行委員長による開会宣言ののち、サンバイおろしの神事が行われました。
神事は「祝詞」「お祓い」「玉串奉天」ののち、お神酒を捧げ、3杷の苗を圃場に投げ入れます。
飾り牛も、追い手の杉原さんたちも神妙に神事を見守ります。
サゲ衆の唄入り・鳴り物入りの「綱植え田植え」
(綱植え田植えとは、縦に張った芯綱につけた印に合わせて、横に張った網を後ろに移動させながら植える方法のこと。他にも「定規植え田植」「ババひき田植」「モンデン田植」がある)
早乙女たちがリズミカルに苗を植えていきます。
太鼓や鐘も田植えを盛り上げます。
サゲ衆の中には小学6年の6人も!衣装を着て、笑顔で元気よく太鼓の音を響かせてくれます。
第2部では、「体験・交流田植え」も行われました。
毎年恒例、小学5年生の参加の他、飛び入りの親子連れも。
早乙女の間に入って教えてもらいながら、一緒に田植えを楽しみました。
田植え唄を歌う林実行委員長
第1部、2部で、広い田んぼに苗が植えられました。
この日植えた苗は、もち米「滋賀羽二重」。
収穫したもち米の当日予約販売を受け付けており、希望者は11月5日に開催の「神杉ふれあい祭り」で受け取ります。
田植えの泥を落とし着替えたら、第3部は、体育館にて「代みて(慰労会)」行事。
入口では、おにぎりと抽選券が配布されました。
神杉地区は芸能も盛んな地域。この日は三味線が披露されました。
「大田植は、運動会、神杉ふれあい祭りと合わせ、神杉地区の3大行事の一つ。花田植ほどの華やかさはないものの、昔の田植えの苦労を偲び感謝する機会となっています。多くの来場をいただき、よい天気のもと、フルバージョンで実施できたことをとてもうれしく思います。第20回の節目に向けて、引き続きご支援をお願いしたいです」とあいさつする林実行委員長。
大田植の開催のために、100人以上の住民が協力し、無事終了しました。
他にはない力強さ、明るさ、華やかさのある大田植を、地域住民一体となって、今後も続けていきます。
Information
イベント名 |
神杉大田植 主催:神杉地区自治会連合会、神杉大田植実行委員会 後援:三次市、三次市教育委員会、一般社団法人三次観光推進機構 |
所在地 | 広島県三次市高杉町1684-1 |
電話番号 | 0824-66-1323 |
FAX | 0824-66-1323 |