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更新日:2025.01.22

【三次市四拾貫町】ヴィノーブルヴィンヤード アンド ワイナリー / ブドウ栽培からワイン醸造まで一貫して手掛ける醸造家

三次東インター近くの日当たりのよい斜面に、ブドウ畑、ショップを併設したワイナリー、ドッグラン。ここは、2021年8月にオープンした「ヴィノーブルヴィンヤード アンド ワイナリー」です。

代表取締役で、ワイン醸造技術管理士の横町崇さんに話を聞きました。

基本情報

外観写真
施設名
ヴィノーブルヴィンヤード アンド ワイナリー
所在地
三次市四拾貫町1371
営業時間
土・日・祝 10:00~16:00
電話番号
0824-55-6182
関連リンク・予約

施設の見どころ

三次市出身で、陸上競技に打ち込むため、名門・岡山倉敷高校から東京農業大学 醸造学科へ進学した横町さん。箱根駅伝出場を目指し練習を重ねた大学時代を振り返り、「醸造に特別興味はなかったですね、飲む方が好きですから」と笑顔で振り返ります。

卒業後は、デザイン会社に就職。いくら仕事をしても終わらないハードな毎日が2年続いた頃、「仕事終わりにおいしいビールが飲めるような仕事がしたい」と思うようになりました。

その頃、三次ワイナリーでは、醸造担当者を探していました。当時の三次市副市長が東京農業大学の卒業生だったという縁から、同醸造学科を卒業した横町さんに話が持ち掛けられると、話はとんとん拍子。2001年から先輩や上司の指導の下、三次ワイナリーでワイン造りを学び、2008年からは山梨県の大手ワインメーカー「勝沼醸造」に就職。岡山県新見市哲多町にあったブドウ畑の栽培を任され、2013年に閉園するまで、三次市と岡山県新見市、そして山梨県を行き来し、ブドウやワイン醸造に関わりました。

三次ワイナリー時代から、自宅周辺の土地を開墾しブドウを栽培していた横町さん。

2013年に独立を決意すると、本格的にブドウ栽培に乗り出すとともに、勝沼醸造の関連会社でブドウの苗栽培も始めました。ブドウが収穫できるまで、3年から5年はかかります。その間、横町さんは、ブドウの苗栽培をしたり、ブドウの棚の設備施工会社で棚張りの技術を学んだりして、知識を高めました。

ちょうどその頃、ワイナリーブームが起き、日本全国で小さなワイナリーが誕生。フットワーク軽くアドバイスやコンサルティングができる、フリーの醸造家である横町さんのもとに、依頼が殺到するようになったのです。「今まで、全国で6・7社、ワイナリーの立ち上げに関わりました。来年も鎌倉で1社関わる予定です」と話す横町さん。ワインやブドウに関する知識、技術のほか、ブドウの苗の手配や酒税、帳簿の付け方までトータルでアドバイスできるフリーのワイン醸造家は、全国でも横町さんだけといわれています。

横町さんは2013年からワイン醸造をスタート。毎年、委託醸造を続け、確実に成果と手応えを感じてきました。苗販売やブドウの棚張り、圃場(ほじょう)デザインなども平行して手掛け、「ブドウができる前から、ワインを流通にのせるまで」トータルで関わってきました。

自営業を営む横町さんの妻の父は、横町さんの造るワインの一番のファン。「こんなにおいしいワインを、どうして自分で造らないのか」と後押しし、三次に南向きの土地約2ヘクタールを見つけてくれました。「ここで自分のワイナリーを開く」と覚悟を決めた横町さんは、2020年、国の総合事業化計画の認定を受け、難しいといわれる農水省の6次産業化ハード支援補助金を取得したほか、ベンチャー大賞も受賞。2021年7月に醸造免許を取得し、8月に「ヴィノーブルヴィンヤード アンド ワイナリー」をオープンさせたのです。

現在、ブドウ畑は、ワイナリーの横に70アール(サッカー場位の広さ)、自宅近くの畑に1.3ヘクタール(東京ドームの1.3倍)。今年春に庄原にもブドウ畑を増やす予定です。

横町さんに、ここ三次の風土や気候について聞きました。

「三次はまず盆地であるということ。盆地という土地の形状は、暑いイメージを持ちがちですが、三次は真夏でも35度を越しません。ピノノワールは全国的に色が付かないといわれますが、ここではしっかり色がのり、濃い赤になります。また、土地が粘土質であることもポイント。粘土質だと少し前までは敬遠されていたのですが、暗渠(あんきょ)や溝などで対策をすることで味の厚みが出るのです。雨量が多い難点を棚で克服すれば、三次でもいいブドウがとれると確信しています」

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看板商品の一つ、スパークリングワイン「2021 セミヨン」(750㎖、3,500円)

「ヴィノーブルヴィンヤード アンド ワイナリー」で醸造した初のワイン。「セミヨン」が原料で、「果実味がある」「柑橘、パッションフルーツの香り」と人気も上々。全て英文字で表記された、珍しい三角形のラベルが目を引く。ワイナリーとネットなどで1200本販売予定。

スパークリングワイン製造の一つ、「瓶内二次発酵」の様子。瓶の中にワイン、酵母、糖分を入れ、アルコールと炭酸ガスを生成させる、手間のかかる製法にこだわる。

併設するショップで販売中。

ソフトクリーム(冬期は販売停止)、瀬戸内レモネード、コーヒーなどを販売。ティスティングワイン(400円、3種飲み比べ1000円)もあり。

「ヴィノーブルヴィンヤード アンド ワイナリー」には「備北の地から高品質なワインを」という思いが込められている。

Vi=備北、Vin=ワイン、Noble=高品質な、Vineyard=ブドウ園

「私自身は、職業ワインメーカーだと思っています。売れるワイン、飲んでいただけるワインを重要視したい。ワインに関する引き出しはたくさんあるので、これまでの経験を生かして醸造していきます。」すでに数々の賞を受賞したほか、東京の大手ワインスクールで行われた「シャルドネ飲み比べ」で3位になった実績は、横町さんにとって大きな自信となりました。

今後は、三次のみにこだわらず、庄原市高野町ブドウでドイツ風の白ワイン、暖かい大崎下島のブドウでスペイン風赤ワインと、県北から南へ縦断する各地域の特徴を生かしたワインを造りたいという夢も。ブドウ栽培からワイン醸造まで一貫して手掛ける若き醸造家の挑戦は、これからも続きます。

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※2025年1月22日時点現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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