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更新日:2025.01.16

【三次市三次町】湯本豪一記念日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム) / みよしの“もののけ”みてみようかい

三次の歴史と人々の暮らし、妖怪の関わりを知るきっかけに

卯建のある商家が並ぶ三次町に誕生した湯本豪一記念日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)。妖怪研究家・民俗学者である湯本豪一氏からの寄贈資料約5000点を順次展示しています。海外からのお客様も多く、わずか半年で来館者数10万人を突破。妖怪物語『稲生物怪録』の舞台となった三次の地とミュージアムの魅力を、学芸員の伏見由希さんに伺いました。

基本情報

施設名
湯本豪一記念 日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)
所在地
三次市三次町1691-4
ホームページ
https://miyoshi-mononoke.jp/
料金
●個人
 一 般:600円
 高校生・大学生:400円
 小学生・中学生:200円

●団体(20名以上)
 一 般:480円
 高校生・大学生:320円
 小学生・中学生:160円

※ 学生の方は学生証のご提示をお願いいたします。
※ 団体利用の際は事前にお問い合わせください。

・館内設備
車椅子・ベビーカー・歩行用杖

車椅子   2台
ベビーカー 1台
歩行用杖  1本
無料で貸し出しています。ご利用の際には、受付にてお申し出ください。

年間入館券(有効期限:1年間) 3,000円
営業時間
9:30~17:00 ※入館は16:30まで
電話番号
0824-69-0111

施設の見どころ

2019年4月、三次に誕生した湯本豪一記念日本妖怪博物館(三次もののけミュージアム)。三次町が妖怪物語『稲生物怪録』の舞台となった地であることから、妖怪研究家・民俗学者である湯本豪一氏が所蔵されていた約5000点の資料の寄贈を受け、開館の運びとなりました。ここで学芸員を務めるのが、香川県出身の伏見由希さん。以前は高松市香南歴史民俗郷土館で嘱託学芸員として働いていました。

「こちらの学芸員募集を見つけたのはたまたまだったのですが、妖怪というコンセプト、そしてオープニングの資料展示に関われることにとても魅力を感じました」。幼い頃からミステリアスなもの、不可思議なものに惹かれる傾向があったと話す伏見さん。徳島文理大学の文学部文化財学科で歴史や文化財について学んだそう。「土の中に眠っていたり、目に見えないものってロマンがありますよね。妖怪ももちろん大好きです」。

赴任当初はミュージアム運営について手探りで進め、不安もあったそうですが、いざ開館すると予想以上に来館者数が多くほっとしたそうです。「とくに嬉しかったのは、海外からのお客様。ここを訪れることを目的に日本に来られた外国人や、台湾、オーストラリアからの取材依頼もあり、妖怪文化への関心の高さがうかがえました」。オープン時やゴールデンウイークには1日に3000人の来館者数を超えることもあり、オープンから半年後には早くも目標入館者数10万人を達成しました。

4つの展示室からなるミュージアムは、老若男女誰でも楽しめる、さまざまな工夫が凝らされています。エントランスではカーテンに投影されるどこかユーモラスな妖怪たちがお出迎え。タッチパネルで資料を見ることができる「デジタル妖怪大図鑑」は、指で触れると妖怪が飛び出し詳細情報に目を通すことができます。館内は資料保護の目的で照明を落として暗くしていますが、その薄闇がミステリアスなテーマにぴったり。子どもはもちろん、大人も思わず童心にかえってドキドキしながら足を踏み入れたくなる雰囲気です。常設展示室が「日本の妖怪」「稲生物怪録」「チームラボ 妖怪遊園地」の3つと企画展示室があります。

内容は季節によって変わりますが、江戸時代から現代までの妖怪文化をたどりながら、日本で唯一常設で『稲生物怪録』の物語の歴史や最新研究を知ることができます。また、最新のデジタルコンテンツを有するチームラボのコーナーは子どもや大人にも大人気。より身近に妖怪たちの存在を感じられます。「妖怪って実は、人々の暮らしに深く関わってきたんです。電灯のない時代において、闇夜は深く不安をあおるものでした。さらに当時の科学技術では、説明のつかない現象や自然災害はまさしく畏怖の対象。その中で人は自分たちを納得させるよう、妖怪という存在を生み出し、時に恐れ時に敬いながら暮らしを営んできたのかもしれません」。

自分で描いたオリジナル妖怪をスキャナーで読み取り、スクリーンの中で動き出すシステム。思わず夢中に。

もっとみる

「妖怪絵巻」や「妖怪ファッション」など、毎回テーマを決めて展開する企画展示も見どころ。「飽きないような工夫をと思いテーマを決めていますが、こちらでも妖怪と人の暮らしが密接に関わっていたことがよくわかります。例えば妖怪たちのファッションを見ていくと、当時の流行が反映されていたり。」資料から人々の暮らしを紐解いていくことが楽しさのひとつかもしれません」。また、夏なら水辺の妖怪であるカッパや人魚を、節分の時期には鬼をテーマにするなど、年中行事に絡めて紹介したりも。「ワークショップやギャラリートークも都度行っていますので、表面的な知識をなぞるだけでなく、少し掘り下げて妖怪文化を学んでもらえたら嬉しいです」。 今後の目標としては、ミュージアムを町並みめぐりとともに楽しんでもらうこと、地元の人にも足を運んでもらうことを掲げているそう。「私は県外から来たのでどこか観光客気分のところがあって。地元の人に美味しいお店やおでかけスポットを尋ねると、”近いからあんまりどこも行かんのよ”って答えが意外に多くて、もったいないと思ったりするんです。三次町は川に囲まれ、もとは舟運による物資の集散地として栄えた町」。卯建のある商家並ぶ佇まいは歴史と情緒感じる素晴らしい雰囲気だと思います」。今まで三次町を訪れたことがある人もそうでない人も、ぜひ新しい視点でミュージアムとともに足を運んでみてはいかがでしょうか。

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※2025年1月16日時点現在の情報です。最新の情報と異なる場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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