【三次市吉舎町】お好み焼 福 / お好み焼きの“指導者”が郷里でかなえた夢
赤いのれんをくぐると、長い鉄板と「いらっしゃい」の笑顔が迎えてくれます。
「お好み焼 福」の店主、福崎俊博さんは、ここ吉舎町出身。
2020年3月10日、退職と同時に、かつて両親が食料品店を営んでいた場所で、夢のお好み焼き店をオープンしました。
無駄のない、軽やかなへらさばき。
それもそのはず。福崎さんは、広島市に本社のあるお好み焼き専用ソース製造会社「オタフクソース株式会社」の元社員。入社後は、営業担当を経て、お好み焼きに親しんでもらうための新施設「Wood Egg お好み焼館」の立ち上げから関わりました。同館がオープンすると、来場者にお好み焼きの歴史などを案内し、焼き方も指導してきた人なのです。
「お好み焼 福」のお好み焼は、基本的にはオタフクソースの材料と、今まで培った技術がベース。そこに福崎さんなりのオリジナルも取り入れ、丁寧に焼かれたあつあつの一枚を提供しています。
キャベツは、市内の店から買い付け、全て手切りしています。卵は地元産。もやしは皮を取り除き、焼く直前まで水に浸してしゃきしゃき感をキープ。
麺はいろいろ試した結果、三次の老舗製麺専門店「江草商店」の茹で麺を使用。そのまま入れるのではなく、和風だしで下味をつけるひと手間をかけて焼いていきます。ソースはもちろんオタフクソース!
トマトの酸味とまろやかチーズ、甘いお好みソースがベストマッチ!
一度食べたら病みつきになり、リピート確実のおいしさ。
オタフクソースの塩焼きそばソースを使用。鉄板の上で、ゴマ油と一緒にかりっと焼いたちりめんじゃこ、大葉、フレッシュトマトをトッピング。レモン汁もかけてさっぱりと。
こちらのレシピは、オタフクソースから毎年発行される「レシピ集」から。
「オタフクソースは、お好み焼き店のバックアップやサポートも素晴らしい会社」と福崎さん。
オタフクソースは独自の資格「お好み焼士」制度を展開しており、福崎さんは在職時にお好み焼き店に指導ができる技術を持つ「コーディネーター」を取得。ミュージアムでお好み焼の歴史やおいしく焼き上げるコツを説明するうちに、次第に「おいしいお好み焼きを提供したい」「人生最後にお好み焼き店のおじさんをやりたい」と思うようになったのが開店のきっかけだと教えてくれました。
夢の実現に向け、退職の少し前から実家の改修をスタート。
こだわったのは、バーナーが3カ所使える長い鉄板。縁あって入手した鉄板は、縦80センチ、横は何と180センチもあり、一度にたくさんのお好み焼きを焼くことが可能です。
「オタフクソース勤務中に、一度に大量のお好み焼きを焼けるようになりました。10枚でも一気に焦がさず焼くことができるんですよ。大量注文もこなせています」と話す福崎さんからは、長い経験と技術による自信が感じられました。
店内には、鉄板をLの字に囲むカウンター席が8席。4人がけのテーブル席もあります。
店内の一角に、屋台風の鉄板があります。これはオタフクソースが展開する学園祭応援企画「100学祭」用の初代屋台。廃棄する予定だった鉄板が、こちらで活躍しています。学生たちに焼き方を教え、学園祭で実際に販売するお手伝いをしているそう。今後は地域のイベントにも積極的に参加したいと夢を描きます。
学生や地域に心を寄せる福崎さんの思いは、お好み焼きの値段にも表れています。
なんと!小中高生は、全メニュー270円引き。つまりお好み焼770円が、ワンコインで食べられるのです。
「学生さんにお好み焼きを食べて元気になってもらいたい。学生が元気だとまちが活気づくし、うれしいじゃないですか」
学割は少しずつ浸透し、中学生がテイクアウトを頼んだり、定期試験の帰り風の高校生が立ち寄ったりしています。
心を配っているのは学生だけではありません。配達エリアは限られますが、地元のタクシー会社と提携し、配達も行っています。お年寄りや事情があって出かけられない人にも、アツアツのお好み焼きを食べて元気になってもらいたいと、コロナ禍にスタートしました。
会社員時代の豊富な経験と知識、技術。そこに、オタフクソースへの感謝と地域愛をトッピングした、福のお好み焼き。
ぜひ一度味わってみてください。
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Information
店舗名 | お好み焼 福 |
所在地 | 広島県三次市吉舎町吉舎220-4 |
ホームページ | https://okonomi-fuku.main.jp/ |
営業時間 | 11:00~13:30、16:00~19:00(日・祝は18:30) |
お休み | 月曜、第一火曜 |
電話番号 | 0824-43-2060 |