【三次市上田町】ほしはら山のがっこう 「おいしい楽校シリーズ」 田植え&田んぼの生きもの探検 - 三次市観光 Walk @round Miyoshi(三次観光推進機構公式ウェブサイト)|広島県三次市

【三次市上田町】ほしはら山のがっこう 「おいしい楽校シリーズ」 田植え&田んぼの生きもの探検|三次市観光 Walk @round Miyoshi(三次観光推進機構公式ウェブサイト)|広島県三次市

お問い合わせフォームへのリンクボタン

【三次市上田町】ほしはら山のがっこう 「おいしい楽校シリーズ」 田植え&田んぼの生きもの探検

【三次市上田町】ほしはら山のがっこう 「おいしい楽校シリーズ」 田植え&田んぼの生きもの探検

Pocket

Pocket

ふるさと自然体験塾「田植え」

ほしはら山のがっこうの人気イベント「おいしい楽校シリーズ」は、森谷(もんだに)にある田んぼとその周辺で、野山や田畑のおいしい暮らしを体験します。森谷という地名の通り、森の間の谷間に棚田が広がっていて、すぐそばを小川が流れる、自然いっぱいのフィールドが舞台です。「田んぼの先生」は、保井照明さん。田植えは今年17年を迎える恒例行事。保井さんの田んぼを借りて、春は田植え、秋は稲刈り、冬はしめ縄作りやそば打ちを楽しむ内容となっています。

「田んぼの先生」 保井照明さん

 

2021年5月16日の「おいしい楽校シリーズ」は、コロナ感染症拡大に伴い緊急事態宣言が発出され、開催は中止となりました。「実りの秋にみんなで稲刈りを楽しもう」と、保井さんとスタッフとで田植えが行われました。

田んぼには水が張られ、すでに「筋」が引いてあります。これらは全て、保井さんのおかげ。田靴や裸足で集まってきたスタッフたちに、保井さんが「風が上から吹いているから、下から植えていけばいい」と声を掛けました。みんなが田んぼに入ると水が濁り、筋が見えなくなりますが、風が谷の上から下へ吹くせいで、濁った水が後方へ流れ、筋が見える、というのがその理由です。「なるほど」「経験からくる知恵だね」と感心するスタッフたち。

苗を運ぶスタッフの みどちゃん

 

この日植える稲の品種は「コシヒカリ」。苗は、近くに住む農家、川崎一昭さんが提供してくれたものです。スタッフは横一列になって、1人3~4列を担当。腰をかがめて、今年の田植えスタートです。

筋に沿って苗を植えていく植え方を、「並木植え」というそうです。育苗箱から取り出した苗の塊を持って、3~5本ずつ、15センチ間隔で手植えしていきます。「15センチというと、ハガキの縦の長さなんですって」とスタッフのみどちゃん。なるほど、そうイメージすると分かりやすいですね。

田植えの途中には、いろんな生き物との遭遇がありました。ゲンゴロウの幼虫、アメンボ、マツモムシ、シマゲンゴロウ、アカハライモリなど。

「シマゲンゴロウは、わざわざ飼育する人もいるくらい人気。川、田んぼと毎晩移動するのが特徴」「アメンボは飛ぶんですよ」「アカハライモリは毒を持っています」と教えてくれるスタッフのふくろう先生。子どもたちがいたら、それはそれは楽しく刺激的な田植え時間となったことでしょう。ふくろう先生は、「田んぼの中にはいろんな生き物が住んでいること、田んぼは米を作る場所というだけでなく、生き物の大切な住処でもあるということを伝えたい」と話します。泥の中で動く小さな生き物を見付けて、触って、生態系を感じることができるのは、「おいしい楽校シリーズ」の大きな特徴です。

最初は、スタッフたちの田植えの様子を見守っていた保井さんですが、途中から片足だけ田んぼに入れて植え始めました。「ここは谷になっているから日照時間がすごく短い。日照時間が少ないということは、心白ができにくいので、おいしい米がとれる」と説明してくれました。秋の収穫がますます楽しみになりますね。

ほしはら山のがっこう理事の金末忠則さん

 

最初に参加していた子どもたちは、もう大学生や社会人になります。今年は子どもたちのにぎやかな声が聞かれないのが残念ですが、9月中旬に稲刈りができるといいです。

全員の頑張りで、1時間半ほどで田植えは無事終了しました。これからは保井さんが水の管理をしながら、稲刈りの日まで大切に稲の成長を見守ってくれます。

NPO法人ほしはら山のがっこう副理事長の浦田愛さん

 

おいしい楽校は、廃校になった翌年から取り組んでいます。これまで、県内はもとより、山口、島根、岡山からも参加がありました。このイベントに参加したことで、上田町に移住するきっかけになったという家族もいます。

おいしい楽校をはじめたきっかけは、「ふるさと」を子どもたちに体験してもらって、好きになってもらいたいという地元住民の声でした。そこには小学校が廃校となって、このままではふるさとを大切に思ってくれる人がいなくなるのではないか?という危機感がありました。

スタートすると、地元で当たり前と思っていたことが、学びに変わることを子どもたちが教えてくれました。田んぼでアカハライモリを捕まえて「初めて見た!」と感動する子ども、農作業の知恵や技術を持つ地域の方を「カッコイイ!」と言いながら付いて回る子どもなどです。「ここが第二のふるさと」と通ってくれる方々に出会い、地元民も元気をもらっています。

体験を通して自分で気付いて学んだことは、心や体にしみこんでいきます。

例えば田植えや稲刈りを体験したことで、「日々の生活で口にするご飯は、あんな手間をかけて作られているんだな」「田んぼの周りで、あんな生きものたちに出会ったな」と思い出すでしょう。そして、田んぼでの体験は、自然環境、農薬、製品、消費などへの関心に考えが広がり、ひいては「未来の選択」や最近よく耳にする「SDGs」へつながっていくのです。

ふるさと自然体験塾は、「ふるさとを100年後の子どもたちにつなげるために、今できることはなんだろう」という問いを、楽しい体験を通して参加者と一緒に考える場です。

時代は移り変わっていきます。年間のスケジュールや方針を立ててはいますが、その都度話し合いをし、多様な考え方を採り入れつつ、「今できることをやっていこう」という気持ちで活動していきます。

Information

イベント名 ほしはら山のがっこう 「おいしい楽校シリーズ」 田植え&田んぼの生きもの探検
所在地 住所/広島県三次市上田町388 旧上田小学校
ホームページ https://www.hoshihara.org/taikenjyuku
電話番号 0824-69-2888
外観写真